鷦鷯 進(ささき すすむ)シェフが就任して、約1年となります。

オフィシャルHPのシェフからのメッセージを追加しました。
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フランスやスイスなどの海外で約20年に及ぶ研鑽を重ね、ご縁があって2016年の秋から神戸・北野で料理に携わっております。

僕が一番大切にしている想い。
それは「レストランは誰もが元気になれる場所」だということです。

明るい気分のときは、もっとハッピーに。
たとえ辛いことがあっても、料理を食べたら前を向いて歩いていける。
人々をそんな気分にさせてくれる場所こそが、本物のレストランだと信じています。自分も料理人の1人として、その想いを心の真ん中に持って、日々厨房に立っています。

だからこそ、ひとつひとつの料理に「驚き」や「感動」を込めるべく、日々仲間たちと試行錯誤しています。
着任当初は日本に帰ってきたばかりで、土地柄・食材など不慣れなことも多かったのですが、スタッフ全員で連携を取り、料理と向き合う環境もさらに良くなってきたと感じています。

その中での特に大きなポイントとして、食材との関わりが挙げられます。

神戸・北野で日々を過ごす中で感じたこと。それは、海と山の距離が近く、非常に高質な食材が周囲に存在するということでした。

こんなにも素晴らしい環境は活かさなければもったいない、と。

最近では、私たちが使いたい、なかなか日本では入手できない野菜などを中心に丹波の契約農家さんにお願いして作ってもらっています。「無農薬だから土まで美味しいんだよ」なんて農家さんには言われています(笑)。お昼と夜の営業の合間に、車で1時間ほどかけて移動して、畑の勉強をさせてもらったりしています。採れたての野菜をそのまま夜の営業で使用することも多く、都会と自然との距離の近さをしみじみ感じています。神戸だからこそできることでもありますね。

また、2017年からは兵庫県産の魚を使用することが多くなりました。やはり地の物は鮮度がいい。淡路島の南側まで含めると、兵庫県は大阪湾、播磨灘、紀伊水道、そして日本海と大きくわけて4つの海域と接しています。それぞれに潮流や温度などの環境が異なるため、非常に多彩な魚が集まる場所。料理人として、この魚の種類の多さには、非常に嬉しく感じるものがあります。

もう1つ、大切に想っているキーワードがあります。それは「多様性」です。

海外で修行を重ねる中で、本当に多くの出自を持つ料理人たちと一緒に仕事をしてきました。国も言葉もそれぞれ違う料理人たちの感性が「フランス料理」という皿に凝縮されるとき、「こんなにも驚きに満ちた素敵な仕上がりになるのか!」と感動することが度々あったのです。

だからこそ、僕は「多様性」を大切にしたい。神戸・北野も、その歴史を紐解き、現在の街並みを眺めても、とても多様な人々と多様な文化が見事に調和した場所だと感じています。私たちが作る料理はクラシックを基調としたフランス料理ですが、神戸・北野が持つ幾層もの魅力に寄り添える、幅の広い料理を作っていけたら、と思っています。

ぜひ、神戸・北野に吹く柔らかな風を感じながら、お越しいただけましたら幸いです。